摂食障害 -ケース紹介-
A子さんは16歳の高校2年生です。両親は二人とも教師で、3つ下の妹がいます。A子さんは幼い時から妹の面倒をよく見ており、両親にとっては真面目な手のかからない良い子でした。冬休みが明け、当時交際を始めたばかりの彼氏に「あれ、少し顔丸くなった?お餅でも食べ過ぎたんじゃない」と言われ、また周りの友人に「あーもう幸せ太りなんだから」と茶化されました。A子さんは当時身長160cm体重56kgで特に太ってはいなかったのですが、その言葉に深く傷つき、その日からダイエットを始めることにしました。
A子さんはまず食事の量を減らし、ジョギングを始めることにしました。3ヶ月ほどで体重は51kgまで落ち、周囲からも「やせたね」「どうやってダイエットしたの?」などと聞かれうれしくなり、一層ダイエットに励むようになりました。しかしその後体重の落ちは鈍くなり、「どうしても50kgをきれない。もっと食事制限しないと」と考え、朝はヨーグルトのみ、昼はパン1つとし、夕食もあまり食べなくなりました。母親は心配してもっと食事を摂るように勧めましたが、「お母さんの料理はあぶらっこいの。そのせいで私は太っちゃったんだから」と反発し、妹の食事にも口を出してケンカとなることもしばしばとなりました。
その後A子さんの体重は落ちていきましたが、強烈な食欲に襲われ、大量に菓子パンやスナック菓子を買い込み、一晩で食べてしまうことがありました。そんなことが何度か続いた後、A子さんは「食べた分を吐いてしまえばいい」と考え、食事の後に自分の指を口に突っ込んで吐くようになりました。A子さんの体重は40kgを切るようになり、生理も止まってしまいました。心配した友人から「やせすぎで顔色も悪いよ。もうダイエット止めなよ」と言われましたが、A子さんは「まだ足とか二の腕太いから。こんな風になりたいの」と雑誌のモデルの写真を見せ、聞き入れようとはしませんでした。
それから数ヵ月後、A子さんは朝礼中に倒れ、近くの病院に運ばれました。A子さんの体と30㎏半ばの体重に驚いた医師は「栄養失調ですね、とりあえず点滴をしましょう」と告げました。しかしA子さんは「点滴にブドウ糖が入っている。太っちゃう、イヤだ」と頑なに拒否しました。その後A子さんは「摂食障害」と診断され、入院となりました。

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